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コース紹介

物理学コース

素粒子から宇宙まで

コースの概要

40cm反射望遠鏡をそなえた天文台による本格的な天体観測・研究をはじめ,電子部品用の新材料の探索,生命現象の物理学的アプローチによる解明,シミュレーションを駆使した地球環境問題への取り組みなど,宇宙・地球から分子・原子までの幅広い対象を研究できます。そんな物理学コースの学生が利用する自習スペースは教授室と隣接しており,わからないところはすぐに聞きに行けるなど学生と教員の距離が近いのも特長です。また,上級生がアドバイザーとして下級生の授業に参加することで,お互いに学びと経験を深めています。

物理学は単にさまざまな知識を覚えるだけではだめで,それを『理解』して使いこなすための『考える力』が重要となる学問です。物理学コースでは,このもっとも重要な『考える力』を育てることに重点を置いてカリキュラムを構成しており,4年間の学習や体験を通して物事を考え深く理解する能力を伸ばすことが可能です。

このコースならではの特徴は?

物理学コース最大の特徴は,大学に設置されているドーム型天文台を用いた実践的な天体観測など,天文学や宇宙論に関係した教育に力を入れていることでしょうか。天文台には口径40 cmのリッチクレチアン型反射望遠鏡などが備えられ,さまざまな天体を高い分解能で観測することが可能です。また講義科目にも天体物理や宇宙論に関係する講義も充実しており,将来天文・宇宙関連の仕事を目指す際に必要となる知識を学ぶことができます。もちろん,天文学以外の多彩な分野の講義も豊富で,目に見えない素粒子から巨大な宇宙まで,どんなスケールの現象にも対応できる知識を学ぶことができます。豊富な講義科目に加え,実験科目ではさまざまな分野の実験技術を習得したり,世界を変えるきっかけとなった歴史的な実験を追体験することが可能です。

明星大学理工学部総合理工学科の物理学コースでは,興味に応じて複数の履修が可能な専門プログラムを5種類(理論物理,半導体・物性物理,宇宙科学,地球環境,マテリアルサイエンス)用意しており、広範囲にわたる物理学分野の中で学生の興味や適性に応じた内容を集中的に学ぶことが可能です。なかでもマテリアルサイエンスは総合理工学科の全コースにまたがる横断的な専門プログラムで,物理・化学・工学の知識を融合して技術の歴史を変える可能性を秘めた新規材料の創出やその応用を目指すことも可能です。

カリキュラムの流れ

物理学コースのカリキュラムは,以下の4種類の科目で構成されています。

  • 学科共通科目
  • コース科目(必修)
  • コース科目(選択)
  • 卒業研究

学科共通科目は理工学部の全コースの学生が共通で学ぶ科目で,その多くは一年生に配置されています。これらの共通科目では,理系のさまざまな分野で必要になる基礎的な数学,これからの技術職では避けて通れないデータサイエンスや持続型社会の考え方など,「どんな分野に進むにしても,知っておいて損はない知識」を学びます。また,さまざまな分野の概論科目(その分野ではどんなことが行われており,社会のどういったところに繋がるのか,など概要を学べる科目)が用意されており,自分の興味や将来の進路を広げる事に役立ちます。

物理学コースのコース科目(必修)は,物理学コースの学生が全員学ぶ科目です。講義(座学)科目として,物理学の基礎に関する電磁気学,解析力学,量子力学,熱・統計力学等を学びます。これらの科目を学修することで,物理学コースに用意された専門プログラム群(理論物理,半導体・物性物理,宇宙科学,地球環境,およびマテリアルサイエンス)のどの専門プログラムにも進める基礎力を身に付けます。さらに,物理学実験1・2では物理学の発展につながったさまざまな物理現象に触れ,実際に測定を行う実験演習科目です。これらの現象が基本的な物理法則によって明解に説明できることを実感し,物理法則に対する理解を深めます。

コース科目(選択)は,自分の興味や進路に合わせて履修できる科目群で,幅広い分野のバラエティー豊かな科目が用意されています。これら選択科目は,進路・目的に応じて専門プログラム(理論物理,半導体・物性物理,宇宙科学,地球環境,およびマテリアルサイエンス)としてまとめられており,進路に合わせてどの講義をとっていけばよいのかがわかりやすくなっています(※選択した専門プログラムに入っていない科目や他コースの科目も自由に追加で履修できます)。

卒業研究は,大学での学びの総決算となる必修科目です。さまざまな専門分野で研究を行っている研究室から一つを選び,3年生後期から所属して研究に必要な知識を学んだり,さまざまな実験を行っていくことになります。通常の学生実験では「どんな結果が出るか知られている実験」を行って知識や技術を身につけますが,卒業研究は世界のだれも知らないこと,やっていないことに取り組み,新たな発見をしていくというまさに「研究」に取り組む科目です。自ら研究を計画・実施し,結果を解析,得られた知識を他の人々にわかりやすく伝えるという一連の研究を通して,計画力,実験技術,思考力,プレゼンテーション能力などが大きく成長する科目でもあります。

※青字は物理学コースの学生の必修科目で,卒業までに必ず履修する必要があります。
※カリキュラムは現時点での予定であり,一部が変更となる可能性があります。

講義ピックアップ!

物理学コースの「専門プログラム」

大学の講義にはさまざまなものが用意されていますが,自分の目指す進路にはどの講義が必要なのかわかりにくい場合もあります。そこで理工学部では「○○という目的・進路に役立つ講義はこれ!」と,進路や身につけられる知識から講義を選びやすくした「専門プログラム」というものにまとめなおしました。教員による「○○という分野を目指す学生におすすめの講義」という言い方もできるかもしれません。

物理学コースには以下の5つの専門プログラムがあり,卒業までに2つの専門プログラム(※)を履修することが推奨されます。

※そのうちのひとつとして他コースの専門プログラムを選択したり,専門プログラムに含まれない講義を個別に履修することも可能です。

理論物理

現象を理論化・モデル化して解析する

学べる内容:さまざまな現象を数理モデル化することで,将来を予測したり,ある要因の変化がどう影響するのかが予測できるようになります。多様な問題を理解・解決するための柔軟な論理的思考力を身につけることができます。

関連する進路:アナリスト,IT系,理科教員 等

講義科目:流体と弾性体,折用解析2,離散代数,量子力学3,相対性理論,素粒子物理学

半導体・物性物理

現代社会を支える半導体・電子材料

学べる内容:現代社会を支える半導体を中心とした電子材料。その仕組みと原理を学び,デジタル社会を支えるさまざまな素材への理解を深めることができます。

関連する進路:半導体産業,電機系,理科教員 等

講義科目:放射線物理学,基礎物質科学,光学,物性物理学1,原子物理学,半導体工学(※他コース科目)

宇宙科学

宇宙や天文現象を理解する

学べる内容:物理学・数学のさまざまな分野の知識を活用し、宇宙や天文現象を理解します。また、多様なデータを組み合わせ理解する能力や、精密な観測で必要となる工学的な知識も養うことができます。

関連する進路:IT系,精密機器分野,理科教員,コンサルタント 等

講義科目:流体と弾性体,天文学1・2,光学,地球惑星ダイナミクス概論,宇宙工学入門(※他コース科目)

地球環境

惑星レベルでの気象や環境問題に取り組む

学べる内容:気象分野や地球環境問題に興味を持つ学生向けの専門プログラムです。今後ますます重要性を増すSDGs関連や,環境を維持・改善しながらの社会の発展といった難題に取り組むために必要な,環境を惑星レベルで考えられる能力を身につけることができます。

関連する進路:環境調査,地理情報関連,エネルギー・プラント関連,公務員,コンサルタント,各業種のSDGs対応部門 等

講義科目:大気科学,気象・熱環境学,地球環境学,地球惑星ダイナミクス概論,気候変動制御,環境流体解析

マテリアルサイエンス

新素材の研究・開発に必要な知識を学ぶ

学べる内容:技術の歴史を変える可能性を秘めた新規材料の創出やその応用に必要な知識を身につけることができます。物理・化学の知識を融合し,未来の新素材の開発につなげることができます。

関連する進路:素材メーカー,電機メーカー,理科教員 等

講義科目:基礎物質科学,マテリアルサイエンス入門,生物物理学,生体分子化学(※他コース科目),環境材料学(※他コース科目),物性物理学1,物性化学(※他コース科目)

 

取得可能な資格

  • 中学校教諭一種免許状(理科)
  • 高等学校教諭一種免許状(理科)

進路について

「問題発見解決力」という言葉があります。 これは「日々生じる問題を発見し解決する能力」を意味しており, 経済産業省が推進している「社会人基礎力」の育成プログラムにおいてキーワードになっている言葉です。 身の回りにいろいろなものがあふれ情報がとびかう今日において, 企業は『多方面にアンテナを張り巡らせ、情報の取捨選択を出来る人材』を求めています。また、与えられた情報を分析し、それを応用する能力を持つ人材も多くの企業が必要としています。

物理学コースで『物事の原理・原則を理解し,それを利用してさまざまな物事を分析する』訓練を十分におこなった学生は,まさに企業が求める『応用力とクリエイティヴな理系思考を持つ人材』,『問題発見解決力を持つ人材』といえるでしょう。身につけた思考力は分野を問わず活用可能な強力な武器です。たとえどんな分野に進むとしても,大きな助けとなってくれるはずです。

物理学コースの学びでは現象を解析するためにコンピュータを用いた解析なども行いますが,その経験からIT産業などの情報分野や,大手企業での情報システム部門に進む学生も多くなっています。さらに,各種の実験や卒業研究で身につけた知識や技術を活かし,測定機器の開発・アフターサービスや,企業の研究開発等に携わる技術サービス業など理系技術職としての活躍も広がっています。また,高等学校教諭一種免許状(理科)と 中学校教諭一種免許状(理科)の取得も可能で(※大学院博士前期課程まで修了すると専修免許状も取得可能), これまでに数多くの卒業生が中学校・高等学校の教員として巣立ち、 教員として活躍しています。

※2020~2021年度卒業生の進路データ。

2020~2022年度卒業生のおもな就職内定先は以下の通りです。

  • NSW株式会社
  • 株式会社NTTデータフロンティア
  • 株式会社システナ
  • 綜合警備保障株式会社
  • 東京三協信用金庫
  • 株式会社ノジマ
  • 富士通Japan株式会社
  • 株式会社ホンダカーズ埼玉中
  • 水戸証券株式会社
  • リコージャパン株式会社
  • 横河ソリューションサービス株式会社
  • 東京都教育委員会(中学校・高等学校)
  • 東京消防庁
  • 東京都庁
  • 気象庁  他

コース科目担当教員(リンク)

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