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2019年9月18日

化学専攻の大学院生が「日本遺伝学会第91回大会」で研究発表しました

2019年9月11日(水)~13日(金)、福井大学(文京キャンパス)にて開催された「日本遺伝学会第91回大会」において、理工学研究科 化学専攻に所属する大学院生4名(須賀 則之研究室)が口頭発表しました。

■研究分野:エピジェネティクス
研究発表タイトル:「アフリカツメガエルのリンカーヒストンH1Aの異種発現による出芽酵母の増殖障害に関与するドメインの探索」
発表者:柴 広大(博士前期課程1年生)
発表内容:
リンカーヒストンにはN末端やC末端テールドメインのアミノ酸配列やその長さが異なる変種が存在し、それらに依存したクロマチン構造変化は遺伝子発現を制御する機構の1つです。この研究では、アフリカツメガエルの体細胞型リンカーヒストンH1Aを出芽酵母に異種的に発現させ、その増殖への影響を調べました。その結果、N末端の20アミノ酸残基の欠損変異体により、出芽酵母の増殖障害が観察されました。さらに、ドメインスワップ解析を実施し、この増殖障害機構にC末端テールドメインが重要であることがわかりました。

研究発表タイトル:「出芽酵母に異種発現したアフリカツメガエルのリンカーヒストンH1Aの細胞内局在」
発表者:工藤 拓也(博士前期課程2年生)
発表内容:
真核生物のゲノムDNAは、ヌクレオソームとリンカーヒストンにより細胞核内への収納及び遺伝子発現の基盤構造となるクロマチンを形成します。この研究では、出芽酵母にアフリカツメガエルの体細胞型リンカーヒストンH1Aを異種発現し、その細胞核への局在を3領域(N末端テール、球状領域、C末端テール)に分割し解析しました。その結果、H1Aの核局在には独立に二つの領域が必要である、という結論を得ることができました。

研究発表タイトル:「HP1α発現プラスミド欠落による出芽酵母増殖障害の多コピー抑圧遺伝子の検索」
発表者:飛永 汐里(博士前期課程2年生)
発表内容:
マウスのヘテロクロマチンタンパク質α(HP1α)を、出芽酵母にプラスミドから異種的に発現すると、その発現プラスミドが欠落し、増殖障害が生じます。この増殖障害を抑圧する遺伝子を探索した結果、1つの遺伝子を同定することができました。今後は、この抑圧遺伝子から、プラスミド欠落のメカニズムを探っていきます。

■研究分野:反復配列・トランスポゾン
研究発表タイトル:「ヒトAlu DNA配列中の2つの相同な領域は試験管内の再構成系によりヌクレオソームを形成する」
発表者:沖住 香織(博士前期課程1年生)
発表内容:
ヒトゲノムの約10%の散在反復配列であるAlu DNA配列は、2量体ヌクレオソームの形成が可能な約300塩基対の鎖長を持っています。そこで、Alu配列を2つの相同な領域に分け、それらのヌクレオソーム形成を試験管内で解析しました。その結果、2つの相同な領域が同様にヌクレオソームを形成しました。この結果から、Alu配列への2量体ヌクレオソームの形成が示唆されました。

関連資料
日本遺伝学会第91回大会について(学会HP)