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2017年8月25日

物理学系 古川一暁教授が Scientific Reports に研究成果を発表しました

理工学部 総合理工学科 物理学系 古川一暁教授が 2017年8月24日(木)、英国科学誌「Scientific Reports」に研究成果を発表しました。

「水面で自発的に運動する」イオンゲルの新機能を発見
~自己推進型材料の新たな選択肢~

【概要】
学校法人明星学苑明星大学(東京都日野市)は、日本電信電話株式会社との共同研究において、水面で強力かつ持続性の高い自己推進力を発現する人工材料を発見し、その動作機構を明らかにしました。この材料はわずかな気液界面があるだけで持続性のある駆動力を産み出すことから、マイクロモータやソフトロボティクスへの応用が期待されます。また、併せて非線形運動を示すことから、アクティブマターの研究対象としても期待される材料です。
 本研究の人工材料はイオン液体と高分子とからなる高分子ゲル(以下「イオンゲル」という)です。イオンゲルを水面におくと、化学エネルギーを運動エネルギーに変換し、強力で持続性の高い運動を生じることを見出しました。運動はイオンゲルからイオン液体が水面に溶出することによる水の表面張力の差異により駆動されますが(マランゴニ効果)、運動を持続するために必要なイオン液体の除去に新しい機構があることを提案しました。この機構を実証する過程で、自己推進型イオンゲルが運動の自由度が制限された狭小な気液界面においても持続性の高い運動を発現することを、世界で初めて観察しました。気液界面と自己推進型イオンゲルの形状をデザインすることにより、回転運動や往復運動を発現できることを明らかにしました。
 本研究の成果は、従来知られた自己推進型材料にイオンゲルという新たな物質群を加えることを意味します。イオンゲルを構成するイオン液体と高分子の組合せは多岐にわたるため、多様な自己推進型材料の開発につながります。

研究の詳細、論文情報につきましては以下のページよりご覧ください。

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