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言語文化学科“ことば”は文化の集大成  −言語と文化を通して自分、そして世界を知る−
DEPARTMENT OF JAPANESE & COMPARATIVE CULTURE
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内海ゼミ
内海敦子 准教授
(言語学)
シラバス


東京大学人文社会系研究科言語学専門分野 文学博士(2005年取得)
日本言語学会、日本認知言語学会

研究の紹介
私の専門はオーストロネシア語族のインドネシア語および少数民族の言語の研究です。インドネシア語は、インドネシアの国語としての地位を確立しておりマレーシアの国語のマレーシア語とは非常に良く似ています。 両方合わせると3億人ほど話者がいます。インドネシアには国家語であるインドネシア語以外に500を超える言語が存在しています。そのうち、スラウェシ島北部で話されている、話者が数千人しかいない少数民族の言語を調査しています。
これらの言語は、大言語で国語としての地位を確立しているインドネシア語の勢いに押されて若年層には受け継がれず、消滅の危機に瀕しています。私は消滅する前に、何とかこれらの言語の姿を記録したいと思っています。このように人々が民族に固有の言語を使用しなくなり、より経済的・社会的に有用であると考えられる言語を使用するようになることをlanguage shiftといいます。この過程で、有力な言語の語彙が危機的な状態にある言語に多く借用されたり、民族語があまり流暢でない世代が伝統的な言語とは異なった構造をみせることがあります。
私は消滅の危機に瀕した言語の伝統的な姿をなるべく詳しく記述すると共に、言語が消滅するときに見せる様々な特徴を言語学的・社会言語学的に分析しています。
学生へのメッセージ
日本語は話者人口が1億人を超えるという、世界で10番目くらいに数えられる大言語であり、国語として、書き言葉としての地位を確立しています。日本語のドラマ、映画、歌が数多く作られ、非常に多種類の書籍が発行され、消滅するなど考えることのできない立場を持っていますが、このような言語は世界的に見ると決して多くはありません。
圧倒的多数の言語の話者は、大学レベルの教育を自分の生まれた家庭で話された言語で受けることはできないのです。
学生の皆さんには、この恵まれた言語環境にいる私たちの幸運さを感じてもらえたらと思います。そして、この日本語が強い勢力を持つようになったのはどのような理由があるのか、また日本語にはどのような特徴があるのか、を考えて行きたいと思います。また、「日本語を話す外国人と触れ合う、あるいは日本語を外国人に教えるなどの場合に、どのように日本語の構造と用法を伝えていけばよいのか」ということについて皆さんが考える機会を持つことを期待しています。

業績紹介・著書紹介
『言語研究の射程』(2006)
[論文]
タウラド語使用地域の言語使用と言語意識――インドネシア国、北スラウェシ州における民俗語使用実態 2011
[論文]
インドネシアにおける地域語・民族語の使用実態--Bantik語の事例を中心に 2010
[論文]
バンティック語のアクセント 2010
[論文]
バンティック語におけるダイクティック・ターム 2009
[論文]
Problems Encountered in the Research of the Voice System in an Endangered Language 2009
[論文]
消滅に瀕したBantik語の姿--多言語状態と言語変化 2008
[論文]
タラウド語の音声・音韻と語彙における世代差(ひつじ書房、2006)
[論文]
バンティック語の構造と接辞の意味・機能 2005
[その他]
インドネシア国スラウェシ島における絶滅危機言語の記述及び多言語併用状態の分析(科研費若手研究B研究課題)2008〜2010
[その他]
インドネシア国スラウェシ島北部州における少数民族言語の研究(科研費スタートアップ研究課題)2006〜2007
[その他]
スラウェシ島北部における少数民族の諸言語の調査及び分析・記述(科研費特別研究員奨励費研究課題)2002〜2004
小学校時代に3年間ロンドンで生活した経験をもつ内海先生は、子どもの頃から今まで培ってきた国際感覚をフルに生かして意欲的に世界のことばを研究する研究者のひとりだ。大学では英語を専攻しながら副専攻として言語学を履修し、大学院博士課程では東南アジアのことば、特にインドネシア語とその少数民族の言語の研究に時間を費やし、現在も研究を継続している。インドネシアには500を越える言語があるのだという。
また、内海先生にはバック・パッカーとしてのもうひとつの顔がある。大学・大学院を通じ、インドネシア・タイ・ラオス・ミャンマー・マレーシア・インド・ネパール・エジプト・チュニジア・シリア・ヨルダン・モロッコ・イエメン…など、アジア諸国を実際に自分の足で歩いた経験をもち、今までに訪れた国は数十カ国におよぶ。資料文献やガイドブックには決して書かれることのない、先生の実体験を盛り込みながら展開されるゼミは、世界の言語を研究しようとする人にとってとても刺激的なものになるだろう。
ゼミの特徴をたずねると、「学生のやりたいことに合わせます。学生が言葉づかいを研究したいと思えば私がやりやすくなりますが、海外に興味がある人、外国から見た日本に興味があるひとなら大歓迎です。研究の切り口は、音楽でもスポーツでも食文化でも、自由に研究できるゼミです。そこで私は、実体験を通して学生たちに研究を楽しむ方法を伝えていければいいなと考えています」。内海先生は学生たちの主体性に期待している。
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