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DEPARTMENT OF JAPANESE & COMPARATIVE CULTURE
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古田島ゼミ
古田島 洋介 教授
(日中比較文化、漢文学)
シラバス


文学修士(比較文学)、文学碩士(中国文学)
東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程/単位取得満期退学(1989年)
東大比較文学会、日本比較文学会所属/ 東大比較文学会機関誌「比較文学研究」編集委員、日本比較文学会機関誌「比較文学」編集委員/第一回島田謹二記念學藝賞受賞

研究の紹介
この数年、主として二つの研究に取り組んでいます。
一つは、漢文訓読の原理に関する研究です。漢文と聞くと、「あの返り点や送り仮名の付いた漢字だらけの文章か」と思う人が多いでしょう。たしかに漢文は、もともと中国の古典文であり、まさに漢字ばかりで書かれています。しかし、日本人の祖先は、それに返り点を付け、送り仮名を振って解読する「訓読」という方法を編み出しました。これは世界のなかでも極めて稀な言語現象であり、善く言えば独創的、悪く言えば珍妙無類の外国語読解作業なのです。果たして、その背後に働いている原理は何なのか? これが私にとって最も興味津々の研究課題です。
もう一つは、大正天皇の漢詩に関する研究です。大正天皇に対して何か特定の印象を持っている学生さんは少ないでしょう。あるいは、あまり好ましくない風評を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、事実、大正天皇は1367首もの作品を遺した大の漢詩好きでした。おそらくは、漢詩を大量に詠じた最後の天皇になることでしょう。その作品はどのようなものなのか? いかなる背景のもとに、天皇は漢詩を作ったのか? また、周囲は天皇の詩作をどう受けとめていたのか? これも興味の尽きない研究課題です。
学生へのメッセージ
学生諸君に日本の文化を理解してほしい。できるかぎり、その伝統を守ってもらいたい。これが私の基本姿勢です。将来、諸君が国際的な舞台で活躍しようとしたとき、外国語が少しくらい下手でもさして気にすることはない。しかし、日本人の君たちが母国たる日本の文化をろくに知らないのでは、冷たい視線を浴びること必定です。何はともあれ、日本の文化に対して愛情と誇りを抱く学生さんが一人でも多く育つことを願って已みません。
業績紹介・著書紹介
『漢文訓読入門』(2011) 『これならわかる返り点』(2009) 『漢文素読のすすめ』(2007)
『大正天皇御製詩の基礎的研究』(2005) 『鴎外歴史文学集 漢詩』(2000) 『縁について』(1990)
[著書]
『漢文訓読入門』(明治書院、2011)
[著書]
『これならわかる返り点――入門から応用まで』(新典社、2009)
[著書]
『漢文素読のすすめ』(飛鳥新社、2007)
[著書]
『大正天皇御製詩の基礎的研究』(明徳出版社、2005)
[著書]
『鴎外歴史文学集』第12巻(編注)(岩波書店、2000)
[著書]
『袁枚――十八世紀中国の詩人』(翻訳)(平凡社東洋文庫 1999)
[著書]
『「縁」について――中国と日本』(新典社、1990)
[論文]
大正天皇御製詩閲読――海外事情に関はる詞藻 2010
[論文]
日本語の歴史の長さと"あそこの描写" 2010
[論文]
漢文教育の内憂外患 2010
[論文]
梁啓超『和文漢読法』をめぐって――〈副詞文頭〉説を手がかりとする漢文訓読の特徴 2009
[論文]
漢文訓読の固定性と流動性――複数訓読共存原理 2009
[論文]
梁啓超『和文漢読法』(盧本)簡注――復文を説いた日本語速読書 2008
[論文]
復文の地平―失はれた学習法の復活を目指して 2007
[論文]
返り点を正しく打つために―現行返り点法の要領 2006
[論文]
日本漢詩文の衰亡曲線―漢詩文の伝統はいつ滅びたのか? 2006
[論文]
『亜墨竹枝』全篇注解―日本におけるアメリカ観の出発点 2006
[論文]
漢文訓読における送り仮名―体系的説明の試み 2005
[論文]
潘飛声『伯林竹枝詞』簡注―鴎外と同時期にベルリンを見た中国人 2005
[論文]
訓読文を読む順序―返り点の〈作用領域〉概念の導入 2003
[論文]
『米欧回覧実記』を読むために---- 漢文訓読表現の難しさ 2003
取材メモ:古田島先生の横顔
大学時代、古田島先生はフランス文学を専攻していた。しかし現在、なぜ漢文訓読の原理を追究しているのか…。そこに古田島先生のユニークな経歴を垣間見ることができる。大学卒業時、県立高校に内定していた古田島先生は、進学したいという気持ちよりむしろ学生生活を終えることの区切り、学生時代の思い出として大学院を受験したそうだ。が、入試の解答で「能とギリシャ悲劇とプロレスの違い」を記述したことが1人の教授の目にとまり、大学院に合格した(実際は“してしまった”という表現が正しいらしい)。
大学院で日本文学とフランス文学の比較研究をするために日本文学の見直しをしていくと、古い書物や資料のほとんどに漢文が用いられ、研究をするには漢文が理解できなければ話にならない。そんな状況から今度は漢文の勉強を一気に始めることになるのだが、日本で勉強していたのでは時間的に追いつくのが難しい。それならば、と、台湾大学(旧台北帝国大学)へ留学。その台湾で過ごした3年間が、漢文訓読研究の第一線で活躍する研究者としての古田島先生ベースになっているのだ。
漢文訓読には現代の日本語に使われている言葉が数多くあるという。たとえば「おそらく」や「いわく」。語法としては奈良時代の言葉でありながら、滅びることなく現代まで継承されている。何百年もの時を経て、今もなお使われ続けている日本の言葉。こうしたテーマをじっくり研究できることが漢文訓読の最大の魅力といえるだろう。古田島先生のゼミでは幅広いテーマでゼミ生を受け入れている。
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