研究内容紹介
1.スターリングエンジン性能に及ぼす再生器特性
セミフリーピストンスターリングエンジン発電機を用いて再生器性能のエンジン性能への影響を実験的に調べるとともに理論的な検討を加えています。また、熱駆動コンプレッサへの転用可能性も検討中です。

スターリングエンジン発電機
| スターリングエンジンの動作原理など詳細は平田宏一氏のホームページ(http://www.bekkoame.ne.jp/~khirata/)へ |
2.スターリングエンジンを用いた家庭用コージェネレーションシステム
発電出力1kWeを有するスターリングエンジン発電機を用いた寒冷地向け住宅用コージェネレーションシステムの構築を行っています。そのシステム概念図とエンジン単体試験の様子を示します。

寒地住宅用コージェネレーションシステム例 小型スターリングエンジン発電機
3.バイオマスストーブ廃熱利用スターリングエンジン発電システム
バイオマス(ペレット)ストーブの廃熱を利用した発電システムを構築しました。エンジンのヒータ部で回収できた熱量1.8kW(ヒータ壁温600℃)
に対して約200Wの発電出力が得られています。エンジン性能が良ければ500W程度の発電出力が期待できます。
ペレット燃料の主材料は檜と杉の端材とのことです。エンジンヒータ部に付着した灰分はごく僅かです。ヒータ部に付着した灰分の様子を実験前と
実験後の写真より分かります。
バイオマスストーブ廃熱利用スターリングエンジン発電 エンジンヒータ部(実験前) エンジンヒータ部(実験後)
4.新型スターリングエンジンを用いた木質ペレット燃焼発電・給湯システム
新型スターリングエンジンが導入され、木質ペレットを燃料とした2kW級コジェネレーションシステムの開発に着手しました。
現在、19.5kWの入熱に対して、発電量1.4kW、廃熱回収11.5kWと、66%程の総合効率に過ぎませんが、今後システムの最適化に取り組みます。

木質ペレット燃焼器とスターリングエンジン発電機
5.パルス管エンジン
1シリンダ1ピストンの新形外燃エンジンです。シリンダヘッドには、金網を挿入した再生器部と空間部からなるパイレックス管が装着され、その中には作動ガスとして大気圧空気が密封されています。再生器の両端には加熱部と冷却部があり、アルコールランプ等により加熱しますと動き始めます。本エンジンの性能測定例として、軸出力と図示出力を示します。最高回転数は650rpmでした。現在、その動作原理と実用性の検討を行っています。

パルス管エンジン性能試験装置
軸出力と図示出力の測定例
6.大気開放型パルス管冷凍機
本冷凍機は、下部に圧縮ピストン、そのすぐ上に蓄冷材及びパルス管と細いシリコンゴム製チューブのイナータンスからなります。作動ガスには大気圧空気を用い、イナータンスチューブは大気に開放されております。現状の最適な条件下での運転により、蓄冷器の上部で室温(25℃)より55℃の温度低下が得られました。その結果、蓄冷材の上端では-30℃に達し、下の写真のように霜が付いております。

模型パルス管冷凍機 蓄冷器上部にできた霜
7.極低温冷凍機性能に及ぼす蓄冷器特性
極低温冷凍機における蓄冷器の性能が冷凍性能に及ぼす影響を実験的に調べるとともに理論的な検討を行っている。
極低温冷凍機性能試験機
8.熱音響エンジン性能に及ぼすスタック特性
定在波形熱音響エンジン並びに進行波型ループ管熱音響エンジンについて、熱源位置やスタックと呼ばれる蓄熱式熱交換器材料の圧力振幅への影響を実験的に調べております。

定在波型熱音響エンジン
進行波型熱音響エンジン
9.再生器、蓄冷器、スタック等、蓄熱式熱交換器の流動および伝熱特性
蓄熱式熱交換器を有するエネルギー変換機器には、スターリングエンジン、極低温冷凍機そして熱音響エンジン等がある。蓄熱式熱交換器の名称は、スターリングエンジンでは再生器、極低温冷凍機では蓄冷器そして熱音響エンジンではスタックと変ります。本研究では、蓄熱材として従来からよく利用されている積層金網ばかりではなく、新たなる材料の可能性を実験的に調べています。また、再生器出入口形状についても実験的理論的に検討し、テーパ流路の効果が確認されています。一例として、テーパ流路効果のCFD解析結果を示します。
蓄熱式熱交換器特性試験機 流路拡大装置
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再生器出入口の流体解析例(テーパ流路を設けることにより流路の拡がる様子が分かります)
10.水の相変化を利用したエネルギ変換機器の研究
ポンポン船をご存じでしょうか? この推進装置をモデル化した実験装置を作成してみました。
(1)横置き形モデル実験装置:内径φ6mmのパイレックス管の一端をマイクロシースヒータを用いて電気加熱しております。実験結果の一例として、管長さの周期及び振幅への影響そして管内水蒸気の温度分布を示します。

ポンポン船 横置き形モデル実験装置

横置き形モデル実験装置による実験結果の一例
(2)U字管形モデル実験装置:加熱部には内径φ10mmの銅管、周期的に変動している水柱を可視化する部分にはφ10mmのパイレックス管を用いております。加熱は電気加熱により行い、実験結果の一例として、蒸気圧力と水柱の容積変動により得られたP-V線図を示します。

U字管形モデル実験装置 U字管形モデル実験装置のP-V線図
(3)学生(小林政博)考案の新型ポンポン船:ボイラ部にパイレックス管を使用し、銅管1本に接続されています。
水が蒸発して推進力になる様子を見ることができます。製作マニュアルが必要な方はご連絡頂ければお送りします。

11.教材用エネルギ変換機器の研究
教材用エネルギ変換機器は学生の知的好奇心を刺激する教材になり、小・中学生向けの理科教育、工業高校、高専、大学等での工学教育に役立っている。
その利用形態は様々であるが、教材用スターリングエンジンの工学教育への利用には次のような事例がある。
(1)設計教育 (2)加工教育 (3)設計/製作教育 (4)動力測定(熱工学)実験 (5)設計/製作/動力測定/理論的な性能評価 (6)創造教育
今までに開発した機器は、空き缶エンジン、試験管エンジン、テイラーエンジン、スターリングヒートポンプ、ヴィルミエヒートポンプ、模型パルス管冷凍機、熱音響オルガンなどがあります。現在、さらなる機器の開発を行っております。
試験管エンジン

動力測定実験 軸出力と回転数との関係
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